全身の健康を支える大切な臓器「腎臓」

内科

腎臓は、血液の中の老廃物や余分な水分・塩分を尿として体の外へ出すだけでなく、血圧の調整、ミネラルのバランス、貧血や骨の健康にも関わる大切な臓器です。
腎臓の病気は、初期には自覚症状がほとんどないまま、気づかないうちに進行することがあります。健診で尿タンパク、血尿、クレアチニン高値、eGFR低下などを指摘された場合は、早めに詳しく調べることが大切です。
当院では、尿検査、血液検査、尿タンパク・尿アルブミンの確認、eGFRの評価、超音波検査などを行い、腎臓の状態を丁寧に確認します。必要に応じて、連携医療機関での詳しい検査や専門的治療につなげてまいります。
治療では、原因や腎機能の状態に応じて、食事や生活習慣の見直し、血圧・血糖管理、薬物療法、合併症予防などを組み合わせて進めます。
健診で異常を指摘された方、症状はないけれど腎臓が心配な方も、お気軽にご相談ください。

腎臓疾患には以下のようなものがあります

  • 高血圧性腎硬化症
  • 糖尿病性腎症
  • 腎炎(急性糸球体腎炎・慢性糸球体腎炎)
  • ネフローゼ症候群
  • 急性腎障害
  • 尿細管間質性腎炎
  • 多発性嚢胞腎
  • 電解質異常

など

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)は、尿タンパクなどの腎臓の異常や、腎機能の低下が3か月以上続いている状態をいいます。
腎臓の働きは、血液検査で測定するクレアチニン値から算出される eGFR という数値で評価します。一般的に、eGFRが 60mL/分/1.73㎡未満 の状態が続く場合、CKDと診断されます。
CKDは初期には自覚症状がほとんどなく、健診の尿検査や血液検査で初めて見つかることが少なくありません。
原因としては、慢性腎炎やネフローゼ症候群など腎臓そのものの病気や、高血圧、糖尿病などの生活習慣病や加齢が関係します。
CKDが進行すると、末期腎不全となり、透析や腎移植が必要になる場合があります。またCKDでは心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクも高くなります。
すでに低下した腎機能を回復させることは難しいため、早期発見と継続的な管理によって腎機能の悪化をできるだけゆるやかにすることが大切です。薬物による高血圧や糖尿病のコントロール、塩分やたんぱく質などの食事管理は、腎臓を守るうえでとても重要です。また、必要に応じて、腎性貧血に対する治療などを組み合わせて行います。
当院では、患者さま一人ひとりの腎機能、血圧、血糖、生活習慣に合わせて、腎臓を守る治療を継続的に行ってまいります。

血尿・蛋白尿・腎炎

腎炎とは、腎臓の中で血液をろ過して尿をつくる「糸球体」に炎症が起こる病気です。
なかでも、慢性的に血尿や尿タンパクが続く代表的な病気に IgA腎症 があります。
IgA腎症は、免疫に関わる IgA という抗体が糸球体に沈着し、炎症を起こす病気です。原因はまだ完全にはわかっていませんが、鼻やのどなどの粘膜の免疫反応が関係していると考えられています。風邪や扁桃炎のあとに血尿がみられることもありますが、初期には自覚症状がほとんどなく、健診や学校・職場の尿検査で、血尿や尿タンパクを指摘されて見つかることが少なくありません。
IgA腎症は、経過がゆっくりなことも多い一方で、炎症が長く続くと腎機能が低下し、将来的に慢性腎臓病や腎不全につながることがあります。そのため、早い段階で腎臓の状態を確認し、適切に経過をみていくことが大切です。
診療では、尿検査、血液検査を行い、血尿や尿タンパクの程度、腎機能を確認します。必要に応じて、腎臓専門の医療機関と連携し、腎生検などの詳しい検査を検討することもあります。
治療は、尿タンパクの量、腎機能、血圧、年齢、病気の活動性などをふまえて決めていきます。血圧管理、食事療法を行いながら、状態に応じて腎臓を保護する薬や、ステロイド薬などの治療が検討されることもあります。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は、糖尿病による高血糖が長く続くことで、腎臓の細い血管が傷み、腎機能が少しずつ低下していく病気です。糖尿病の三大合併症のひとつであり、日本で人工透析が必要となる原因として最も多い病気です。
初期には自覚症状がほとんどなく、尿検査で微量アルブミン尿や尿タンパクを指摘されて見つかることがあります。進行すると、むくみ、息切れ、だるさ、食欲低下などがみられ、さらに進むと腎不全に至ることがあります。
糖尿病性腎症を進行させないためには血糖値だけでなく、血圧や脂質の管理、食事療法、運動療法などの生活習慣の見直しが大切です。
近年は、SGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など、腎機能の低下を抑える効果が期待される薬も使われるようになっています。

高血圧性腎硬化症

高血圧性腎硬化症は、長年の高血圧によって腎臓の細い血管に負担がかかり、腎臓の働きが少しずつ低下していく病気です。近年は高齢化に伴い、腎硬化症による腎機能低下が増えています。
初期には自覚症状がほとんどなく、健診や通院中の血液検査で、クレアチニン高値やeGFR低下を指摘されて見つかることが少なくありません。
高血圧性腎硬化症では、腎機能の低下だけでなく、心筋梗塞や脳卒中、心不全などのリスクも高くなるため、血圧と腎機能を継続して管理していくことが大切です。